ミッキーマウスが初めてカラーで登場した『ミッキーの大演奏会』

ミッキーファンが見ればすぐわかるこの映画の素晴らしい演出

世界初のカラーアニメーション『花と木』から2年半後、ミッキーマウスの初公開作品『蒸気船ウィリー』から約6年後、1935年2月23日に今度はミッキーアニメーション初のカラー作品として『ミッキーの大演奏会(The Band Concert)』が公開された。
記念すべきこの作品は、通算73番目のミッキーの短編映画で、監督はウィルフレッド・ジャクソンが務めた。

『ミッキーの大演奏会(The Band Concert)』

あらすじ

物語は、ミッキーが指揮者で、グーフィーがクラリネット、クララベルがフルート、ホレスがパーカッションを演奏し「ウィリアム・テル」序曲の第4部を演奏するところから始まる。
第1部から第4部→第3部→第2部→第4部フィナーレと演奏していくが、途中にドナルドダックが笛を取り出し「ターキー・イン・ザ・ストロー(オクラホマミクサー)」を演奏して何度も邪魔をしてくる。
後半は竜巻が発生して演奏会場は滅茶苦茶になってしまうが、最後まで演奏を続けたミッキーたちの前にいた観客はドナルドだけとなっていた。
最後にドナルドはまたも笛を取り出して「ターキー・イン・ザ・ストロー」を演奏して終わる。

ミッキー映画が大好きな方ならこの作品を見てすぐに気が付くことがある。
それはドナルドが演奏した曲「ターキー・イン・ザ・ストロー」は『蒸気船ウィリー』で後半ずっと演奏されていた曲だったということ。

「蒸気船ウィリー」

記念すべきこのミッキーのカラー映画第一弾に何度も「ターキー・イン・ザ・ストロー」を流すことでドナルドがミッキーファンに代わってミッキーたちを祝福をしている。
主観ですが、そんな作品に見えるのが『ミッキーの大演奏会(The Band Concert)』です。
作品自体も非常に評価が高い作品だが、この演出は素晴らしいと思う。

ミッキーの大演奏会(The Band Concert)

カラー映画の技術について

カラー映画の技術は「キネマカラー」という技術が1909年にはすでに使用されていたが、色の不鮮明さ、色ズレ、眼の疲労などの欠点があり、その後、1916年アメリカで新技術「テクニカラー」が開発され新たなカラー映画彩色技術として、使用されていた。
当初はキネマカラー同様に”二色法”だったが、その後に世界で初めて”三色法”での彩色技術として改良され、1932年7月のウォルト・ディズニー・プロダクション制作のアニメーション短編映画『花と木』がこの方式を採用した世界初のアニメーション作品となった。(参照

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