『ミッキーのミニー救出大作戦(Get a Horse!)』2013年公開作品

『ミッキーのミニー救出大作戦(Get a Horse!)』

2013年6月11日に公開され歴史的な大ヒットとなった『アナと雪の女王(Frozen)』ですが、その時に同時上映されたのがこの『ミッキーのミニー救出大作戦』でした。
これは、1995年4月の『ミッキーのアルバイトは危機一髪(Runaway Brain)』以来の8年ぶりのミッキーマウスのオリジナル劇場用短編映画となり、時間こそ”6分”と短いが、『アナと雪の女王』に劣らず、面白くて懐かしくもとても楽しめる作品。

作品中の音声のほとんどは、1928年から1947年までの過去のミッキーマウス短編映画、30作品以上の中から音声アーカイブを組み込み、それをキャラクターのセリフにつなぎ合わせたという、斬新な作品でもある。

「ミッキーのミニー救出大作戦」は最新作ですが「ディズニー ジュニア ラテンアメリカの公式チャンネル」で公開されているのではじめに作品を見て見て下さい(音声はスペイン語です)

『ミッキーのミニー救出大作戦(Get a Horse!)』

見どころ満載



ミッキー マウスが家の庭を歩いていると、ホレス ホースカラーが干し草の荷馬車を引いて、走ってくるのを見かける。
ミッキーは馬車に飛び乗り、続いてミニーをとクララベルを馬車に乗せる。
ちょうどその時、ピートがクラッシックカーに乗って後ろから現れ、クラクションを鳴らして「Make way for the future!」と叫ぶ。
間もなく荷台のミニーを発見したピートは興奮し、ピートはミニーをさらう。

ピートはミッキーとホーレスをスクリーンに向かって投げ飛ばすと、スクリーンを突き破り、投げ出された世界はカラースクリーンの世界。
ピートがモノクロスクリーンの中からミッキーを挑発し、スクリーンの穴を塞ぐと、モノクロ世界とカラー世界が遮断されてしまう。

ミニーを助けるすべを失ったミッキーは、携帯電話でピートに電話をかけ、そこから水を噴射。
取り乱したピートは、湖に落ちる。
水で満たされたスクリーンにミッキーは、穴を開けると、大量の水と共にミニーとピートはモノクロスクリーンの外へ流され、ミッキーとの再会に成功。
しかし、間もなくピートがやって来て、モノクロ世界とカラー世界を行き来する追っかけっこが始まる。。。

個人的には、この作品はミッキーの短編シリーズ全部の中から選んでもベスト5にランクインするぐらいに素晴らしい作品です。

まずは、記事のトップに張り付けた「タイトルカード」
これがこの映画のタイトルカードとして使用されている時点で、ミッキーファンなら興奮してきますが、このタイトルカードのデザインは第一作目から1929年末までウォルトディズニー監督時代に使われていたタイトルカードです。

本編にも特殊なフィルターを掛けて、古めかしいフィルム映画の雰囲気を再現しながら映画はスタート。
冒頭から『蒸気船ウィリー』で使われた「Turkey in the Straw」の曲で始まりテンションが上がる。

登場するキャラデザインは、これも1930年代初頭ぐらいまでのデザインで、当時流行していたいわゆる「ゴムホーススタイル」で作られたキャラデザインで、ピートの服と車の外観は、1929年の『バーン・ダンス(The Barn Dance)』のデザインを基にし、ミッキーも白い手袋を付けていない時代。
更にギャグのセンスも新しくも懐かしさを感じるギャグが考えられていて笑わせてくれる。

『バーン・ダンス(The Barn Dance)』

キャラは、「ミッキーマウス」「ミニーマウス」をはじめ「ピート」「ホーレス・ホースカラー」「クララベル・カウ」などの初期メンバーが勢ぞろいして登場し、なんと「オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット」も最後に一瞬だけカメオ出演。
オズワルドがスクリーンに登場するのは85年ぶりである。
↓画面右下にオズワルドがいる

前半は、まるでタイムスリップしたかのような、往年のミッキーファンは泣いて喜ぶだろうと思われる手の込んだ仕上がり。
反面後半は、キャラクターたちがスクリーンから飛び出して、カラーに変身
モノクロのスクリーンの中とカラーの世界を行き来する斬新な展開になっている。

初の女性監督とアーカイブ声優

ローレン・マクマラン監督

この懐かしくも新しい作品は、ローレン・マクマラン(Lauren MacMullan)が、発案・監督した。
彼女はディズニーのアニメーション映画を単独で監督した初の女性となった。

ローレン・マクマラン(Lauren MacMullan)
By Boungawa – Own work

彼女自身、ミッキーマウスの初期の短編映画を、主にそのシンプルさと新鮮さから気に入っていたため、当時のアニメーションスタイルに似たスタイルを選んだ。
1928年の見た目を実現するために、画像に老化フィルターとぼかしフィルターが追加された。
制作日数は1年6ヶ月だった。

アーカイブ声優

この作品の最大の特徴と言ってもいいのが、アーカイブ音声の使用。
使用された音声はミッキーマウスの短編映画シリーズ(一部他のシリーズ)の中から選ばれ、
シリーズ第二作目の1929年作品『ギャロッピン・ガウチョ(The Gallopin’ Gaucho)』から1947年までの30作品以上のアーカイブ音声から合成し作られた。

ミッキーマウスの声はウォルト・ディズニーで、彼は最初期から1947年までミッキーを演じ続けている。
ミニーマウスの声はマーセリット・ガーナー(一部ルシー・テイラー)で、彼女は1930年から1941年までミニーを演じた。
ピートの声はビリー・ブレッチャー(一部ウィル・ライアン)で、彼は1934年から1960年までピートの声を演じている。

一部ミニーの声を担当した「ルシー・テイラー(Russi Taylor)」1986年から33年間ミニーマウスの声を演じた有名な声優だが、彼女は2019年に死去。
この作品が最後のミニーを演じた作品となった。

代表的なアーカイブ音声と使用作品

作品名ミッキーミニーピート
ギャロッピン・ガウチョ
(The Gallopin’ Gaucho)
Help! Help! Help! Help!
ミッキーの自動車修理
(Mickey’s Service Station)
Hey!, Yeah?!, Who done dat?
ミッキーの引越し大騒動
(Moving Day)
Too late!, Hey, you! Come back here!, HEY!!!, some growls
ミッキーの山登り
(Alpine Climbers)
Eagle eggs! Oh boy, oh boy, oh boy, oh boy! Hot dog!
ミッキーマウスのがんばれサーカス(Mickey’s Circus)Hey, get outta there!
ミッキーの消防隊
(Mickey’s Fire Brigade)
Hey, fellers, there’s a woman up there!
ミッキーのドキドキ汽車旅行
(Mr. Mouse Takes a Trip)
I’ll save ya!It’s you…, All alone, without your dog?, I used to have a little cat once., Why, you little…!, Take that!, WOAH-HO-HO-HO-HO-HO-HO!!!
ミッキーとあざらし
(Mickey and the Seal)
Goodbye! Goodbye, little feller!; 笑い声
ミッキーの恋人訪問
(Mickey Steps Out)
Minnie!; 笑い声,Mickey! Where are you?
ミッキーの道路工事
(Mickey’s Steam-Roller)
Ha ha! Want some candy?
ミッキーのお化け退治
(Lonesome Ghosts)
The telephone!
ミッキーの不思議な薬
(The Worm Turns)
I knew I’d get ya!
ドナルドのポリスマン
(Officer Duck)
Daddy? Aw gee. He thinks I’m his old man., This little piggy had none., Sure, anything for me old pal, “Whee!
ドナルドの入隊
(Donald Gets Drafted)
Company, dismissed!
ミッキーのライバル大騒動
(Mickey’s Rival)
Here, bully-bully-bully!Oh, Mickey!
ミッキーの猟は楽し
(The Pointer)
It’s you!, Now, now, wait a minute, mister Bear!
ミッキーの犬泥棒
(The Dognapper)
Ha! Your game’s up, Pete!
ミッキーの人造人間
(Mickey’s Mechanical Man)
Oh, gee, Minnie. Please, don’t ever honk that horn again.; 笑い声

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