ディズニー最初の主演アニメキャラクターは『オズワルド』

ウサギをモチーフにしたキャラクター『オズワルド』が主演する短編アニメシリーズ『オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット(Oswald the Lucky Rabbit)』は、1927年「ウォルト・ディズニー」と「アブ・アイワークス」によってが手掛けられた「初の主演アニメキャラクター」で、シリーズスタートと同時に大ヒットとなり、ディズニー社が躍進する切っ掛けとなった。

『オズワルド』の誕生

1927年、ウォルト・ディズニーとアブ・アイワークスは、映画プロデューサーで配給業者でもあるチャールズ・ミンツ(Charles Mintz)の下で実写を織り交ぜたアニメーションシリーズ『アリス・コメディ』を制作していたが、作中のキャラクター『ジュリアス』が漫画家オットー・メスマーの『フィリックス・ザ・キャット』の模倣だと作者からの抗議を受けていた。

やがて「アリスシリーズ」の人気も下火になったことから、ミンツの指示で新しいウサギのキャラクターを考案することとなり、新しいアニメーションシリーズ『オズワルド』が誕生した。

『オズワルド』

その時ディズニーは「個性アニメーション」という概念を模索し「キャラクターには個性があってほしい。ただの絵であってほしくない」と述べていた。

個性的なキャラクターとなった「オズワルド」は、1927年9月5日の初公開から子供たちの間で大ヒットを飛ばした。

『オズワルド』との決別

全てが順調であったと思われていたが、1928年2月、配給先のユニバーサル・ピクチャーズと製作費に関する交渉を行った際、所有権がユニバーサル側にあることを突きつけられ交渉は決裂、さらにチャールズ・ミンツによる卑劣な従業員引き抜き工作によって残った従業員はアブ・アイワークスとその助手だけとなってしまった。

その後、3人は契約上8月までに製作しなければならない4本のオズワルド作品を制作するも、ディズニー社は育て上げたキャラクターとほとんどの従業員を失い倒産の危機に直面する。
ウォルトとアブアイワークスは社の再建をかけて、密かに新たなネズミのキャラクター“ミッキーマウス”の制作に取り掛かり、ミッキーマウスが誕生することとなった。

「オズワルドシリーズ」は、ウォルトディズニーのよって27作品が制作されたが、ディズニー側は作品とキャラクターを放棄せざるを得なくなった。

一方、ウォルトが離れた後も、「オズワルドシリーズ」は継続するが、度重なるキャラデザインの変更などで次第に人気が衰え、1943年を最後にオズワルド作品は終了する。

デザインが変更された1930年頃のオズワルド

80年の歳月を経て、ディズニーの元に帰ってきた「オズワルド」

「オズワルドシリーズ」終了から約60年の歳月を経た2006年2月。
ウォルト・ディズニー・カンパニーは、NBCユニバーサルとの交渉の末、ウォルトが手がけた「オズワルドシリーズ」全作品の奪還に成功。
ディズニーの元を離れてから約80年振りに「オズワルド」はディズニーキャラクターとして帰ってきた。

スクリーンに戻ってきたのは2014年公開の『アナと雪の女王』と同時上映された『ミッキーのミニー救出大作戦』
出番は数秒間だったが、返還後、初登場のアニメーションとなった。

その後、2022年12月1日、ウォルト・ディズニー・カンパニーの創業100周年を記念して、ディズニーとしては94年ぶりのオズワルドの新作『Oswald the Lucky Rabbit』Youtubedeで公開
この作品では、文字を道具として使ったり、頭が取れたり足が取れたりするオズワルドならではのギャグが復活しガールフレンドのオルテンシアも登場、ファンなら感激間違いなしの作品

94年ぶりのオズワルドの新作『Oswald the Lucky Rabbit』

第1作目は『かわいそうなパパ(Poor Papa)』であったが当時公開されず、初公開された作品は2作目の『トロリー・トラブルズ(Trolley Troubles)』でした。
『トロリー・トラブルズ』は列車好きのウォルトらしく、オズワルドがウサギの子供たちを列車(トロリー)で障害を乗り越えながら運んでい作品。
なお、1931年11月23日に再公開された際には、音楽と効果音が付け加えられている。

初公開された「オズワルドシリーズ」『トロリー・トラブルズ(Trolley Troubles)』

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