ねずみサイズの小さいミッキーがかわいい珍しい2作品

ミッキーマウスは通常擬人化された大きなキャラで描かれているが、ミッキーの短編シリーズ、6番目と7番目の作品だけ、ねずみサイズの小さなミッキーが描かれている。
作品名は『猫の居ぬ間のタップダンス(When the Cat’s Away)』(1929年5月3日)と『裏庭の戦い(The Barnyard Battle)』(1929年6月1日)。

ミッキーと共に他にも多くのねずみたちが登場して、他の作品では見られないねずみ達の社会が展開する珍しい作品で、この2作品以降は、ミッキーの短編映画内でこのような表現は出てこないので、実験的に試された作品かも。

『猫の居ぬ間のタップダンス(When the Cat’s Away)』

この物語は大きな猫が酒を飲んで家を出て狩りに出かけるところからはじまる。
※当時は禁酒時代でこれは密造酒だとか。。。
その後すぐ、ミッキーと仲間のネズミの達が鍵を開けて猫の家に侵入。
家の中で様々な楽器を演奏しながらダンスを踊り、最後は、ミッキーがミニーにキスをして終わる。

初期は楽器を演奏する作品が多いが、当時の技術としてはこの映像と音声をシンクロさせる技術が最先端で凄かったので、これが一つの見せ場でもあったんだろう。

因みにこの作品からミッキーは白い手袋をはめた。
今ではミッキーのトレードマークの一つになっているが、当初は「手をはっきりとさせるため」という実用的な理由でした。

「Tom Cat」って誰?

冒頭に登場する猫は、はじめはピートかと思ったが、その猫は自分の内の玄関に家にいないことを告げる張り紙をして最後に「トムキャット(Tom Cat)」とサイン。
調べてみたが、トムキャットというキャラはディズニーにいないらしく、「ピート」という説と「カット・ニップ(Kat Nipp)」であるという2つの説があって結論は不明なまま。

カット・ニップって誰?
カット・ニップもとてもレアで、短編シリーズでは2作品のみに登場し、1931年頃のコミックを中心に活動したキャラらしい。

時代背景が色濃く表れている『裏庭の戦い(The Barnyard Battle)』

ミニサイズのミッキーが出てくるもう一つのこの作品は『裏庭の戦い(The Barnyard Battle)』というタイトルにはなっているが、戦争を彷彿とさせる内容になっている。

By Walt Disney – Screenshot from YouTube

内容はねずみと猫の戦いで、冒頭にある徴兵されるミッキーが軍隊に入る前に身体検査を受けるに貴重なシーンが印象的。

ミッキーとたくさんのねずみの兵隊が、侵略してくる猫の兵隊と銃や大砲を使って戦い、最後はミッキーの功績によって、猫たちを倒しねずみ軍が勝利して終わる。
なお、この作品でミニーは登場しない

猫たちが、第一次世界大戦中にドイツ帝国が使用したものと似た軍用ヘルメットをかぶっていることが指摘され、ドイツでは放送が禁止された

↓1931年ロンドンの屋外で『裏庭の戦い』が公開されている非常に珍しい写真(カラー加工済み)

『裏庭の戦い(The Barnyard Battle)』

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