軍隊生活をするドナルドダックの作品 その2

『ドナルドの軍隊行進(Fall Out Fall In)』1943年4月23日公開作品

ドナルドの軍隊行進(Fall Out Fall In)
あらすじ(ドナルドが軍隊生活を送る連続した6作品の4作目)

陸軍二等兵になったドナルドは、雨の中、雪山の中、あるいは砂漠の中、休むことなく苛酷な行軍を行う。
指揮官が行軍休止を命じる頃には、疲れ果て倒れ込むが食事の時間と分かると大急ぎで食事をいただきに。
しかし、自身のテントを設営するまで食事は許されなかった。
大急ぎでテント設営を完了するが直ぐに崩壊、その後、何度やり直してもうまくいかず、食事にもありつけず、疲労困憊のまま朝を迎えてしまう。
出発の号令と共に飛び起きて、急いでリュックにすべての装備を詰め込み次の目的地へ出発するドナルドであった。
ドナルドの軍隊行進(Fall Out Fall In)

原題の ”Fall Out Fall In” は、兵隊が隊形を作ることを意味する「Fall In」と、その隊列を解くことを意味する「Fall Out」という2つの軍事命令からきている。
ドナルドの巨大なリュックサックの中にはデイジーダックの写真が3つあって、切なくさせる(笑)。
軍隊生活を面白おかしく描いているが、逆に理不尽な軍隊生活を風刺的に描いた作品ともいえる。

『ドナルドの新兵さん(The Old Army Game)』1943年11月5日公開作品

ドナルドの新兵さん(The Old Army Game)
あらすじ(ドナルドが軍隊生活を送る連続した6作品の5作目)

駐屯地で夜の見回りをしていたピート軍曹は兵士たちが夜な夜な抜け出して遊んでいることに気付く。
そこへちょうど帰ってきたドナルド。
ピートはドナルドのベッドに隠れ、何も知らずにベッドの中に入るがドナルドだが、間もなくピートがいることに気づきドナルドが逃げ出す。
外にあった箱の中に隠れたドナルドだが、ピートは箱を蹴って、箱は刃のついたフェンスの上を滑り半分に切断。
箱から出たドナルドだが、下半身が切断されたと思い込み、ピートと共に悲劇を嘆き悲しむ。
ドナルドはひどく動揺し、ピートの銃をつかんで自殺を図ろうとするが、ピートはドナルドの下半身があることに気が付く。
ドナルドも間もなく自分に下半身があることに喜ぶが、今度はピートが怒りだし...
ドナルドの新兵さん(The Old Army Game)

ドナルドと共にピートが涙を流して泣く姿が見れる貴重な作品。
自殺を図るドナルドの悲壮な顔が笑える。

『ドナルドの襲撃部隊(Commando Duck)』1944年6月2日公開作品

ドナルドの襲撃部隊(Commando Duck)
あらすじ(ドナルドが軍隊生活を送る連続した6作品の最後の作品)

コマンド部隊に所属するドナルドはどこかの国のジャングルにパラシュートで降下。
しかし、降下時に荷物のほとんどを木に引っ掛けて失うという大失態をしてしまう。
残っていたゴムボートに空気を入れで川を下るが、日本軍に狙撃され逃げるドナルドは、ゴムボートと共に滝に落下。
しかし、今度はボムボートが木に引っ掛かかり、滝の水はすべてゴムボートの中に注がれ、とてつもなく巨大なサイズに膨れ上がるゴムボート。
最後はゴムボートが破裂して崖の下にあった日本軍基地へ、大量の水が押し寄せ基地が破壊される。
破壊された基地を見て、誇らしげなドナルドは「敵と接触、流された」というメッセージを書き、任務完了を宣言する。
ドナルドの襲撃部隊(Commando Duck)

6つの連続したドナルドの軍隊生活を描いた最後のこの作品は、ディズニーのキャラクターが近代の戦争で明確な敵国と戦う姿を描いた唯一の作品でもある。

日本軍が登場することでやはり日本人が見るには多少の抵抗を感じてしまうが、第二次大戦の最中の時代にあって、このような作品が作られることは仕方のないことだろう。
この作品だけは先に紹介した5つの作品と異なり、1985年発売の『ドナルド・ダックのドタバタ50年』というビデオ以外では日本で公開されていない。
また海外で公開されている作品も敵国が日本だとわかる描写がカットされている。

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