シリーシンフォニーの最後の作品は『みにくいアヒルの子』

『みにくいアヒルの子』は皆さんご存じの通り、1843年のアンデルセンによる同名の童話を原作とした作品ですが、シリーシンフォニーシリーズでは2作品の『みにくいアヒルの子』が作られている。

2作品あるディズニーの『みにくいアヒルの子』

1作目はモノクロ時代の1931年12月17日に公開され、2作目はカラー作品として、1939年4月7日に公開された。

1939年の『みにくいアヒルの子』

2作品は邦題も原題も同じ『みにくいアヒルの子(The Ugly Duckling)』だが内容は大きく異なっていている。
初めの作品は原作を大きくアレンジした作品で、鶏の親子にアヒルの子がまぎれ、最後の母親との再会もない別のハッピーエンドで終わる作品になっている。
2作品目のカラー版の方は、原作に忠実で、白鳥の卵がアヒルの卵にまぎれて生まれる設定になっている。
短編映画の時間の都合上、早々に母親に再開するが、原作の流れと雰囲気がしっかりと感じられる作品になっている。

この作品は、『シンデレラ』『不思議の国のアリス』をはじめ1950年代に多くの長編作品を監督したクライド・ジェロニミの監督作品で、1940年の「アカデミー短編アニメ賞」を受賞した。

2002年のディズニー映画『リロ&スティッチ』の中では、リロがスティッチに『みにくいアヒルの子』の絵本読み聞かせる場面が登場している。

みにくいアヒルの子(The Ugly Duckling)1931年
みにくいアヒルの子(The Ugly Duckling)1939年

「シリーシンフォニーシリーズ」終了後のディズニー短編作品

この作品を最後に「シリーシンフォニーシリーズ」は終了したが、当時のディズニーは、ミッキーマウスをはじめ、ドナルドダック、プルート、グーフィーのアニメーションシリーズもスタートしていた。

シリーシンフォニーシリーズの後継としても、シリーズ名はないが、メインキャラクター不在の短編シリーズは継続し、2006年までに45本が公開されている。

その中から「クマのプーさん」も生まれ、1966年に『プーさんとはちみつ』が初公開された。
この作品公開から10か月後の1966年12月15日に「ウォルト・ディズニー」が亡くなったため、この作品がウォルト・ディズニーが携わった最後のディズニー映画となった。

『プーさんとはちみつ』

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